TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2018年10月17日 第2871号
◆19世紀、ヨーロッパでは夜の社交場に艶やかなイブニングドレスが流行する。胸元や肩、背中を露出したそのファッションの始まりは、バラ疹がない、つまり梅毒に感染していないことを誇示するためだったという。
◆平成22年以降、日本で梅毒患者が急増している。男性では20~40歳代、女性では20歳代前半の増加が目立つ。厚生労働省、日本医師会、各自治体等からの注意喚起にもかかわらず歯止めがかかっていない。更にこの数年、九州ではエイズ患者やHIV感染者の増加まで問題となっている。
◆梅毒患者は世界的にも増加傾向にあり、観光客をはじめヒトの往来が盛んとなった社会的背景が一因にあると考えられている。しかし、日本の現状は、既に性風俗産業以外での異性間性交渉の感染の方が急増しており、今後、感染者の低年齢化も懸念される。
◆若年層には、生命にかかわらない性感染症への恐怖は薄く、その流行や予防への関心も低い。ファッションの発信への関心もいいが、バラの発疹にも関心をもってもらう必要がある。(誠)