
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2017年11月29日 第2839号
大阪府医師会は10月25日午後、平成29年度第1回小児救急医療研修会を府医会館で開催し、約80人が参加。急病診療所で必要となる小児科領域の疾患に関する講演が行われた。
本研修会は、急病診療所における小児科診療体制の補強および向上を図ることを目的に開催。今年度は対象者を夜間・休日急病診療所に「実際に出務している」もしくは「将来的に出務を予定している」医師に限定し、年内に3回実施する。
開会にあたり笠原幹司理事があいさつ。各地域における夜間・休日急病診療所への出務など、日頃の尽力に謝意を示した。その上で、急病診療所における小児救急医療体制の堅持は喫緊の課題であり、安定した方向へ改善させたいと述べた。
続いて、原田佳明氏(小松病院名誉院長)が座長を務め、「小児救急の現状」「小児初期救急の要点」と題し、藤田敬之助氏(大阪市救急医療事業団中央急病診療所長)が講演。藤田氏は昨年、設立40周年を迎えた同診療所の沿革や実態などを紹介した。小児の救急患者の比率は高く、重症が少ない一方、後送病院へ搬送するケースもあり、それらを見極めることが大きな役割のひとつと指摘。更に、緊急度に応じた診察順の決定(トリアージ)の重要性を強調した上で、急病診療所で散見される小児疾患の具体例を挙げながら詳説した。加えて、小児科疾患の診療では▽母親の「いつもと違う」という感覚は重要▽熱の高さと重症度は異なる▽生後3カ月未満の発熱と41度以上の発熱は後送すべき――として、論理的思考と直感的思考の双方が大切とまとめた。