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医師・医療関係者のみなさまへ

鶴見区医師会が開催 ともに暮らす社会の構築へ

府医ニュース

2017年11月29日 第2839号

「区民で支えよう認知症」

 「区民で支えよう認知症」をテーマに、鶴見区医師会(高山進会長)が10月14日午後、同区民センターにおいて第8回目の区民向け講演会を開催し、約160人が参加した。
 開会あいさつで高山会長は、「認知症を知ることは自分のため、家族のため、そして地域のためであり、地域全体が認知症の人とともに暮らすということを前提に全区民で社会を構築しなければならない」と語った。
 第1部では、横山吉宏理事が司会を担当し、安宅鈴香氏(大阪市立大学病院神経内科非常勤医師)が「その物忘れは年のせい? それとも認知症?」と題して講演。安宅氏は、「認知症は脳の病気であること」「脳への刺激の必要性」などについて解説した。その後、休憩を兼ねて認知症の症状の傾向を計る簡単な体操を参加者と行った。更に、認知症の人を支える家族には認知症を正しく理解し、無理をしないことが重要だと指摘。認知症にならないためにも、自宅にこもるなど「楽」せずに、地域に関わるなど「楽しく」過ごしてほしいと締めくくった。
 第2部は、同区内で活動する認知症初期集中支援チーム「つるりっぷオレンジチーム」が活動を報告。認知症が疑われる人を見かけた場合に、窓口だけでなく様々な介護施設などへ相談するよう促した。
 第3部は、「"徘徊"ってどんなこと? どうしたらいいの?」と題し、地域包括支援センターや事業所等の関係者が徘徊する認知症の方に声をかける場面を寸劇で披露。徘徊している人が怖がる接し方の様々な場面と、怖がらせない接し方、その後の対処法を演じ、会場は爆笑もあり、盛り上がった。終了後、社会福祉協議会内にある同区見守り相談室が運営している「見守りメール」の実態を報告し、協力を要請した。
 閉会のあいさつで、長谷川正副会長が認知症の家族の大変さをねぎらい、区民を含めた多職種連携の必要性を訴え、無事終了した。

写真・記事提供 鶴見区医師会