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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2017年11月29日 第2839号
大阪府医師会は11月5日午前、大阪市内のホテルで創立70周年記念式典および祝賀会を挙行。郡市区等医師会役員や功労会員らが出席した。府医はじめ多くの郡市区医師会は、昭和22年に新制医師会として発足後、今年で70年の節目を迎える。
当日は栗山隆信理事の司会で進められた。中尾正俊副会長より開式の辞が述べられ、茂松茂人会長があいさつ。創立70周年に際し、府医への支援と協力に改めて感謝の意を表した。今日、日本が世界屈指の長寿国となった背景には、国民皆保険制度の下、地域医療を担う医師達の献身的な努力があったと述べる一方、これを評価せず、医療費を抑制しようとする国の姿勢を憂慮。日本医師会に意見を集約し、しっかりと主張していきたいと述べた。また、高齢化に伴い、人生の最終段階に関する議論が高まりつつあると言及。茂松会長は、「非常に難しい問題」と前置きした上で、国民的なコンセンサスを得ることが重要とし、府医でも継続的に検討を深めていきたいと表明した。加えて、「国民が将来への不安を抱かない社会」が求められると訴え、国に社会保障の充実による施策の展開を強く要請するとした。
引き続き、平成29年度医学教育功労者・保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞・日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞の表彰が行われた。また、白寿会員3名、米寿会員76名、長期在任の本会役員・代議員・郡市区等医師会長・各種委員会委員などに感謝状が贈呈されたほか、府医および郡市区等医師会の永年勤続職員が表彰された。高井康之副会長は閉会あいさつで、医療を取り巻く諸課題に執行部一丸となって取り組むと誓った。
祝賀会では松原謙二・日医副会長が登壇し、中央情勢について詳細に報告。国民に適切な医療を提供できる体制とともに、「医師自身が十分に職責を果たせる環境づくり」に尽力していくと述べた。
正午からは矢野隆子理事の司会により「健老会」を開催。3千人を超える健老会員(70歳以上の府医会員)のうち、同伴者を含む約300人が出席し、旧交を温めた。
茂松会長は、現在の府医の礎を築いた諸先輩に改めて敬意を表するとともに、「今後もより良い体制の構築に向けて叱咤激励してほしい」と呼びかけた。続いて、本年春と秋の叙勲受章者を紹介。このうち、秋の叙勲で旭日小綬章を受章した伯井俊明前会長に、益田元子理事から花束が贈呈された。また、健老会出席者で最高齢の阿部源三郎氏も登壇。会場は大きな拍手に包まれた。
〇医学教育功労者
下村嘉一氏(近畿大学医学部附属病院眼科学教室主任教授/近畿大学医師会監事/前大阪府医師会理事)
昭和52年3月、大阪大学医学部を卒業。米国ジョージア医科大学医学部細胞分子生物学教室講師を経て、昭和58年、阪大医学部眼科学助手に就任。阪大眼科講師、助教授等を歴任後、平成11年4月より近畿大学眼科学教室主任教授。近大医学部堺病院長、同大学院医学研究科長等を務め、28年10月より医学部図書館長。
研究分野では、単純ヘルペスウイルスの潜伏感染と再活性化において顕著な業績を修め、膠様滴状角膜ジストロフィーについては責任遺伝子の単離を目的に、その遺伝子座を世界で初めて特定した。国内外の学会活動にも積極的に携わっているほか、26年6月より府医理事を務め、府医勤務医部会等を担当した。眼科学の研究・教育・実践の分野のみならず、医学の発展に大きく寄与するとともに、多くの後進医家を育成している。
〇保健文化賞受賞記念大阪府医師会長賞
大阪泌尿器科臨床医会(奥山明彦会長)
昭和52年、在阪の開業医および勤務医、大学関係者ら約70名の泌尿器科医により発足した。一般社団法人化を経て、本年で創立40周年を迎える。
現在の会員数は500余名で、府内泌尿器科医の9割以上を占める。地域における泌尿器科医療の充実を目指して様々な活動を展開。また、医療安全や医療倫理にも重点を置き、生涯教育などの各種事業のほか、保険医療講習会などを実施している。
〇日本医師会最高優功賞受賞記念大阪府医師会長賞
東成母子会(北村旺加子会長)
母子衛生の向上を目的に昭和27年に結成され、多年にわたり諸活動に取り組んでいる。
現在は、「生活習慣病予防対策ならびに各種検診の勧奨」のほか、地域における各種イベントへの参加などによる母子保健衛生の普及啓発、バザー・ボランティア活動などを展開。地域の信頼も厚く、多方面から支持・評価を得ている。