
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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勤務医の窓
府医ニュース
2017年11月15日 第2838号
今年の5月から第11ブロック(市内南部)の常任委員として、当院の北川良裕前副院長の後任で勤務医部会に参加させていただいております大阪鉄道病院の上田です。お役をいただいて早々、今まで興味深く拝読していた「勤務医の窓」への寄稿のご指名を頂戴しました。投稿規定によりますと、「テーマは問わない、ただし医療に関する方が望ましい」とありますが、まだまだ若輩者の新米院長ですので、医療に関することはご勘弁いただき、鉄道病院のことを最近の自身の趣味も絡めて、徒然なるままに少しだけ語らせていただきます。
皆さんご存じのことと思いますが、当院はJR西日本の企業立病院です。旧国鉄時代には国鉄職員とその家族の健康を守るための職域病院として、全国各地に多くの鉄道病院がありました。しかし、経営改善や合理化のため、昭和の末期からその中の基幹病院は一般開放されるとともに、JRへの分割民営化も契機となり、診療規模の小さい多くの病院は閉鎖されました。その結果、現在JRの病院は当院を含めまして全国に7カ所となっています(北から、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・北九州)。親会社はJR5社にわたりますが、いずれの病院も職員の健康増進と、公共インフラ企業として医療の分野において地域社会に貢献することを主眼に運営されています。そういう状況の中において興味深いことは、当院を除く他の6病院は、建て替えや移転を契機に病院名から"鉄道"という文言を外してしまったということです。そしてそれを今もなお残すのは、平成12年に現在の阿倍野区松崎町への新築移転を経た当院のみとなっています。
このように稀少な"鉄道病院"に2年半前に着任して以来、もともと乗り物好きだった自分自身も、「おいらは鉄道だ~」とばかりすっかり〝鉄ちゃん〟化への道を歩むことになりました。天王寺駅直近の鉄道病院裏に居を構えていますが、休日には首からキャノンを吊り下げ、片手に缶ビールとワンカップの入ったコンビニ袋をぶら下げ、"飲み鉄撮り鉄一人旅"にいそいそと出かけています。すべて西日本エリアの日帰りで、現地観光は一切しません。ただ特急列車に乗り込んで、列車の息づかいを感じながら飲んで、撮って、また乗って帰って来るだけの旅です。印象深かった旅としましては、天王寺駅から阪和線―紀勢本線を経ての早春の新宮往復(特急くろしお〈オーシャンアロー〉)、大阪駅から途中第3セクターの智頭急行線を経ての盛夏の鳥取往復(智頭特急スーパーはくと)や、大阪阿部野橋駅から飛鳥を経ての晩秋の吉野往復(近鉄特急青のシンフォニー)等があります。
医療漬け・経営管理漬けの日々は何かとストレスも多いですが、「いい趣味を見つけてくれて良かった。すっかり"鉄ちゃん"やね」と、家内も喜んでくれています。
大阪鉄道病院院長 上田 祐二 ――1277