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府医ニュース
2017年11月15日 第2838号
河内医師会主催、布施医師会・枚岡医師会共催による平成29年度「市民健康シンポジウム」が9月30日午後、東大阪市内で開催された。「どうなるの?介護保険! 介護保険総合事業ってな~に?」をテーマに約250人の市民が参加した。
開会にあたり津森孝生・河内医師会長はあいさつで、今年は介護保険法が改正され市独自の総合事業が開始されたと紹介。また現在、全国におよそ460万人いる認知症の方が今後700万人に達すると予測されており、認知症対策にしっかり取り組んでいくことが重要であると述べた。野田義和・東大阪市長は高齢者が増える中、行政として健診事業や様々な制度を提供しているので、ぜひこれらを活用し健康寿命を伸ばしてほしいと呼びかけた。
続いて3題の講演が行われた。はじめに福永悟之氏(東大阪市福祉部)が、「介護保険総合事業と認知症初期集中支援チームとは」との演題で講演。今年4月に開始した介護保険の要支援1・2の方を対象とした市独自の総合事業や、7月から設置された認知症初期集中支援チームを説明。市の実情に合わせてよりきめ細かく支援ができるようになったと述べた。
金沢龍起・河内医師会理事は、「認知症を予防する――百歳まで元気ハツラツ」と題して講演した。まず、認知症の原因としてアルツハイマー病と血管性認知症を説明。これらには高血圧や糖尿病が関与するとし、認知症の予防には「生活習慣病を適切に管理すること」「運動を取り入れ、食生活を見直すこと」が大事と述べた。
木山美知代氏(河内医師会ケアプランセンター管理者)は、「認知症――地域の人に支えられて」のテーマで講演。地域包括ケアシステムの一端としての総合事業を説明し、2人の認知症の方を例に挙げ、地域でどのように支援が行われているかを報告した。
その後、あらかじめ来場者から集められていた質問に対し、歯科医師と薬剤師が丁寧に答えた。
特別講演では女優でモデルの秋川リサ氏が登壇。「見守る介護――自分を責めずに頑張りすぎない介護」と題して講演した。秋川氏は、認知症となった実母を介護し大変苦労された経験を軽妙なトークで語り、会場のあちこちからは何度も大きくうなずく姿が見られた。
報告 河内医師会 伊藤周二