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府医ニュース
2017年10月25日 第2836号
第31回日本臨床内科医学会が10月8日・9日の両日、大阪市内のホテルで開催された。同医学会は日本臨床内科医会(猿田享男会長)の事業の一環で、今回は大阪府内科医会が担当。福田正博会長が学会長を務め、「新たなる臨床内科学の夜明け――看取りからiPSまで」をメインテーマに多彩なプログラムが展開された。会期中、全国から1800人を超える参加を得た。
8日午前には、特別講演「新専門医制度の現状と展望」が行われ、松原謙二・日本医師会副会長(=日本専門医機構副理事長)が登壇。海外の専門医制度を提示した上で、我が国の課題と同機構の取り組みを紹介。地域医療への配慮に努めるとともに、国による医師の強制配置につながらないよう、緊張感をもって対応したと述べた。また、同機構と学会の関係では、「連携」「役割分担の明確化」を強調。それぞれの学会の専門医制度について同機構が評価・助言を行い、質の保証を図っているとした。
午後からは3題のシンポジウムが展開された。このうち、「心不全治療――最新医療からiPSそして未来へ」では、澤芳樹・大阪府医師会副会長が外科医の立場から、心臓移植や補助人工心臓、再生医療など、重症の心不全患者に対する治療に言及。また、「大阪発、臨床内科医が支える地域包括ケアシステム」で座長を務めた中尾正俊・府医副会長は、在宅医療を希望するすべての人が尊厳ある最期を迎えられる制度づくりを行政とともに構築したいと語った。
福田学会長は、「会員とともに歩んだ臨床研究の軌跡」と題し、大阪府内科医会の活動を報告。その後、「iPS細胞の現状とその未来」をテーマに、山中伸弥氏(京都大学iPS細胞研究所長)と高橋政代氏(理化学研究所多細胞システム形成研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクトリーダー)を交え、特別鼎談が実施された。
夕刻からのセレモニーでは、横倉義武・日医会長が祝辞を披露。日医会員の約半数が内科医であると述べ、かかりつけ医機能の強化など、地域医療活動への更なる協力を要請した。茂松茂人・府医会長は、特別講演やシンポジウムなどを熱心に聴講。幅広い内容が盛り込まれた崇高な会であったと評した。また、地域における熱心な取り組みが医療への信頼につながるとした上で、府医としてもその環境づくりに邁進すると誓った。次いで、濵田省司・大阪府副知事が大阪府知事からのメッセージを代読。続いて、最優秀論文賞等の表彰、次期学会長あいさつがあり、その後、懇親会が開催された。2日目にはシンポジウムや講演などのほか、「楽しくできる認知症とフレイル予防」と題する市民公開講座も行われた。