
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
府医ニュース
2017年10月25日 第2836号
◆2千年前の古代ケルトでは、10月31日は1年の最後の日。先祖の霊が家族のもとに帰ってくる日。先祖に用意した祭壇には灯明。夜陰に紛れる悪霊を、追い払う聖なる火である。
◆ケルトにキリスト教が時代とともに広がる。11月1日精霊(ハロー)の日の前夜祭の色合いが強まる。ハローウィンとなる。カブやカボチャにともす灯明は、元来悪霊払いである。お盆と同じく、人類共通のアニミズムの名残りであろう。
◆移民によって米国に持ち込まれたハローウィンは、商業ベースにのり変化する。電話年代になり、悪霊姿の子ども達が家々を回り菓子をねだる形に。菓子の販売促進に業界が主動。近年の我が国のハローウィン騒ぎも仕掛けの結果。1300億円の経済効果という。
◆古代の自然に身を託す儀式が、時代とともにデフォルムされることは当然であろう。しかし、アニミズムにあった自然への畏敬が消し去られていく。まして、経済論理にて変えられていくことは悲しい。医療にも経済論理はあろうが、命への畏敬は消せない。(翔)