
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2017年10月18日 第2835号
泉大津市医師会(中透会長)は9月15日午後、同医師会館で医療安全講習会を実施。医療事故調査制度および院内感染対策に関する講演が行われ、会員や医療機関従事者ら約110人が聴講した。
開会に伴い中会長があいさつ。医療安全は医療機関にとって重要なテーマであり、今回の研修会が日常診療の一助になればと期待を寄せた。その後、武本優次・同医師会理事(大阪府医師会理事)の司会で進行。最初に大平真司・府医理事による講演「医療事故調査制度について――大阪府医師会の取り組み」が行われた。大平・府医理事はまず、医療安全が重視されるようになった背景として、平成11年に起きた患者取り違えや消毒剤誤投与など重大な医療過誤を指摘。これを契機として国の医療安全確保に向けた動きが本格化したと述べた。そうした流れの中、26年の改正医療法で「医療事故調査制度」が運用されるに至ったとし、当該制度を概説。医療事故の定義を「医療に起因(疑い含む)する死亡(死産)」とし、これを管理者が「予期しなかった」と判断した事例が、医療事故・調査支援センターへの報告対象になると述べた。更に、遺族との信頼関係を維持するため、院内事故調査の重要性を強調。具体的な調査項目を示したほか、▽個人責任を追及するものではないことを明確にし、正確な情報を収集▽外部調査委員の参画などによる公平性の担保――が大切と訴えた。あわせて府医の取り組みとして「大阪府医療事故調査等支援団体連絡協議会」を設立した旨を報告。同協議会では解剖や外部専門委員の派遣など、院内調査の支援を行っているとした。そして、本制度は「医療従事者のプロフェッショナル・オートノミーが試される」との見解を示し、対話を通じた信頼関係構築の機会として捉えてほしいと締めくくった。
引き続き、森脇俊氏(大阪府和泉保健所長)が「医療安全と院内感染対策――保健所からお願いしたいこと」と題して講演。院内感染対策では、「組織レベルでの医療安全推進が求められる」と前置き。指針の作成および必要に応じた見直し、定期的な委員会や研修の実施を促した。また、感染性廃棄物にも触れ、適切な処理が必要と強調。手洗いや防護具での対策に加え、吐物の処理方法を明示した。