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医師・医療関係者のみなさまへ

学校医総合講習会

府医ニュース

2017年10月18日 第2835号

教職員のメンタルヘルス現状や課題を解説

 平成29年度学校医総合講習会が9月20日午後、大阪府医師会館で開催された。本講習会は府医指定学校医制度の認定希望者および学校医が対象。学校保健総論・各論に関して講演を実施し、約300人が聴講した。
 当日は益田元子・学校医部会副部会長(府医理事)が司会を務め、冒頭、中尾正俊・学校医部会長(府医副会長)があいさつ。学校保健の中でも教職員のメンタルヘルスの現状と課題を把握し、学校医および学校産業医として日頃から抱えている様々な悩みを解消する一助として、本講習会を参考にしてほしいと述べた。
 学校保健総論では、藤原忠雄氏(兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授)が「教職員のメンタルヘルス」と題して講演。まず、教職員の精神疾患による休職者数の推移を示し、赴任後3年未満での休職者数はここ数年で高い割合が続いているとした。また、初任者の条件付き採用期間における依願退職者数も増加しており、若い人材が1年未満で退職していく現状を指摘した。これらの原因として、▽生徒指導の責任とストレス▽職場内での人間関係▽保護者・地域との関係の変化▽職務の曖昧さ・膨張▽多忙な勤務環境――など、複数の問題が複雑に関わっていると言及。職場環境の改善や円滑な職場復帰に向けての支援などが必要であると述べた。更に、このような過酷な教育現場では、ストレスマネジメント能力が不可欠であると強調した。その上で、藤原氏が取り組んできた教師のストレス研究に関する知見として、性・年代・校種によるストレス因子やストレス反応の差異を解説した。

健診の留意点を伝達

 引き続き、府医学校医部会常任委員が3会場に分かれて各論を詳しく説明。1.内科健診(黒川浩史氏)2.眼科健診(宮浦徹氏)3.耳鼻科健診(森脇計博氏)――について、府医の学校医マニュアル等を基に、健診を実施する上での具体的な留意点が伝達された。