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将棋部だより
府医ニュース
2017年10月18日 第2835号
9月24日に今年5回目の例会を、関西将棋会館5階の和室で開催した。ハギやマンジュシャゲ、キンモクセイやコスモスなどの秋の花々が咲いていた。寒川初段(大正区)が7年ぶりに参加したので、嬉しかった。
「人間のあらゆる認識は、直観から始まる」と主張したのは、ドイツの哲学者カントだった。ビリヤードが得意で、賭けで勝った金で学費を全額賄えた彼は、自らの経験から直観の重要性に気付いたのではあるまいか。彼の説は甚だしく抽象的に感じられるが、実体験に基づいた考えだったのかもしれない。
参加者は5人だった。持ち時間の残りが乏しくなり、時には秒読みに追われる終盤で、直観的に選んだ手の善悪が、勝敗を決定付けた将棋が多かった。
手島七段(和泉市)が、他の参加者達からの要望により、準会員二段と寒川初段を相手に、生まれて初めて2面指しを行った。盤を2面置いて、同時に2人と対局した。このような状況ではほとんど考えられないので、直観に従って指すしかなかった。苦戦になったがそれでも辛勝し、全勝優勝を遂げた。2位は3勝1敗の松村六段(池田病院/東大阪市)で、3位は2勝2敗の伊藤五段(野崎徳洲会病院/大東市)だった。
NHKの大河ドラマ「おんな城主直虎」を見ると、カントが「人間の心の深奥には道徳律がある」と述べたことを思い出す。直虎さんは、様々な事柄に関する理非善悪を、いつも直観的に判断するように思われるからである。
心の深奥に、将棋の完全な理論があれば良いのに、と願う。どんな局面でも、短い考慮で最善手が分かれば、嬉しいだろう。それが我々の夢である。
入部をお望みの方は、いずみがおかメンタルクリニックの手島(電話0725―56―2727)までご連絡ください。
報告 手島 愛雄(和泉市)