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府医ニュース
2016年8月3日 第2792号
大阪府警察医会(竹中秀裕会長)は7月16日午後、大阪市内のホテルで平成28年度通常総会および第1回学術講演会を開催。同医会員ら約50人が参集した。
当日は27年度会務・歳入歳出決算が報告された後、任期満了に伴う役員選挙を実施。同日までに会長職への立候補はなく、議場より推薦のあった竹中氏が選任された。再任となった竹中会長は、「研修会の充実を図り、警察医の質の向上に努めたい」と言及。あわせて関係団体との連携にも意欲を示した。また、留置人の診察なども含め、「医会として対応が必要」とし、会員らに引き続き協力を求めると加えた。
新執行部が選任された後、28年度事業計画案を馬渕洋一副会長、同予算案を藤江博副会長が提案。いずれも賛成多数で承認された。
学術講演会では、池谷博氏(京都府立医科大学大学院医学研究科法医学教室教授)より、「検案における感染の危険性」と題する講演が行われた。冒頭、外国人を含めた「身元不明遺体」が増加していると説示。身元調査のため司法解剖となる場合、大半は死亡直前の行動が不明であり、毒物汚染や1類感染症の罹患なども否定できず、「危険が伴う」との見方を示した。感染のリスクを防止するための手段として、防護具が最も有効とする一方、「着脱時に汚染することが多い」と強調。特に脱衣時に自分の服を汚染することが危惧されるとし、注意を促した。更に、検死や死体検分の主体となるのは警察であるが、「死体からの感染」を軽視しがちであると指摘。▽二重手袋の推奨▽手袋を外した後に手洗いをする▽死体を触った後の行動にも気を配る――など、医学的知識に乏しい司法警察員らへの指導・教育も「警察医の役割」と述べ、一層の活躍に期待を寄せた。