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勤務医の窓
府医ニュース
2015年6月24日 第2752号
皆様、JCHOをご存知でしょうか? 何と読むかお分かりでしょうか? 正解は「ジェイコー」です。日本語では地域医療機能推進機構です。何のことか理解されていない方も多いと思いますが、平成26年4月1日から府内の3病院「旧大阪厚生年金病院」「旧船員保険病院」「旧星ヶ丘厚生年金病院」が、「JCHO大阪病院」「JCHOみなと中央病院」「JCHO星ヶ丘医療センター」に名称変更し、この組織に所属しています。全国では社会保険47病院、厚生年金7病院、船員保険3病院、併設する介護老人保健施設26施設からなります。
16年に国は病院を含めた年金・福祉施設(厚生年金会館、グリーンピア等)の見直しを決め、翌17年には売却、譲渡を目的とした年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)が設立されました。実際、病院以外の施設に関しては22年9月までにすべてが売却されました。その後、いくつかの病院も売却譲渡されましたが、地域住民の方々の存続を希望する強い意見が反映され、26年4月から病院運営を目的とする独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)が設立されました。国の独立行政法人としては国立病院機構、労働者健康福祉機構に次ぐ3番目の病院群になります。
JCHOの目的、理念は、一言でいえば「地域医療に貢献する病院群」です。具体的には5疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)5事業(救急医療、災害医療、周産期医療、小児医療、へき地医療)ならびにリハビリテーション、その他地域において必要とされる医療および介護を提供する機能の確保を中心に、特に総合診療医の育成、地域包括ケアの要となることが挙げられています。
JCHOが設立され約1年が経過しました。ただ、これまで培われてきた厚生年金病院、社会保険病院、船員保険病院の3つの病院群の文化が新たなひとつの体制に変更され、就業環境を含めていろいろな問題点も出現し、当惑する場面が多数ありました。やっと職員が新たな文化に慣れてきたというのが実感であり、今後は機構の本来の目的、理念の達成に向けて進みたいと考えています。スケールメリットを生かし、病院間の人事交流や留学を含めた教育システム等を利用し、皆様に早く理解してもらえる病院群を目指し、地域医療に貢献したいと思います。
星ヶ丘医療センター 副院長 森川和要 ――1266