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カラコン

府医ニュース

2014年9月17日 第2724号

 カラーコンタクトレンズ(以下カラコン)の嚆矢は「ボクのしあわせ」ではないかと思います。三谷昇扮するモッキンポット師の七色に変化する虹彩です。「バルトの楽園」では大後寿々花が碧眼のハーフの少女を演じます。安藤美姫選手は氷上の舞を衣装と同色の瞳で魅了してくれました。本来は虹彩欠損の羞明防止や角膜白斑の整容が目的だったのですが。
 さて今春、国民生活センターが上市にあるカラコンの評価を行い、雑貨屋扱いの「おしゃれレンズ」の不備を指摘しました。角膜に接するレンズの表面に着色料が印刷されていたり、レンズ素材そのものが今日的水準に達しない、などです。一方で、メーカー品では着色虹彩がレンズに包埋されています。
 カラコン、つけま、アイプチはJKには必須のアイテム。でも彼女達が、かかる官制の評価に接するとは思えません。学校健診でも、カラコンによる角膜障害は増えています。
 学校で禁止しても下校以降のことまでは関知できないそうで、校医としての指導の限界を感じます。国民生活センターは消費者庁、学校保健は文部科学省、レンズは厚生労働省の管轄です。縦割り行政の象徴でしょうか、カラコンの眼障害に接する我々にとっては悩ましい問題です。
 ペースメーカーと同カテゴリーの高度管理医療機器であるコンタクトレンズが、雑貨屋で販売されているのです。しかも個人輸入の名目で厚労省未承認の某国製品を。(冬)