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医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年11月6日 第3089号
大阪府医師会は10月4日午後、「特定健診の受診勧奨に係る研修会」を府医会館とウェブの併用で開催した。本研修会は大阪市委託事業の一環として実施され、大阪市内の医師会員など約70人が聴講した。
澤井貞子理事はあいさつで、特定健診の受診率を憂慮。令和5年度からは大阪市の事業委託を受け、受診率向上を図る取り組みを展開しているとし、本研修会が医療機関における特定健診、保健指導の実施の一助になればと期待を寄せた。
引き続き、福田正博氏(大阪府内科医会名誉会長/ふくだ内科クリニック院長)が、「かかりつけ医における特定健診、保健指導の意義と実践について」と題して講演した。福田氏はまず、健康寿命の延伸には、脳卒中・虚血性心疾患・認知症・腎不全などの予防が必要と説明。これらの疾患の要因として、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病やメタボリックシンドロームを挙げ、早期発見・治療に向けた特定健診・特定保健指導の重要性を示した。
次に、特定健診の受診率に言及。3年度の大阪府の受診率は29・2%と低位で、大阪市は府内でも平均を下回る結果だと語った。また、特定健診を受診しない人や、受診の結果で異常値が出ても治療を受けない人には、様々な心理的バイアスが存在すると指摘し、行動経済学を活用した受診勧奨法を紹介した。
次いで、かかりつけ医による特定保健指導の実践を詳説。目標の設定では、個々の心理ステージを考慮してアプローチすることが肝要とした。さらに、食事・運動指導のポイントを伝え、「指導にはコメディカルの協力が不可欠」と強調した。
続いて、福永淑江氏(大阪市福祉局生活福祉部保険年金課保健副主幹)が「大阪市特定健康診査受診率向上の取り組み」と題し、大阪市国保被保険者の現状と課題を解説した。特定健診を受けない理由の調査では、「定期的にかかりつけ医に受診している」との回答が多かったと説示。府医と連携して受診勧奨事業を推進することが重要と述べ、協力を求めた。
最後に、澤井理事が「大阪市特定健診受診率向上のための受診勧奨業務」を説明。府医は5年度より、市内の会員医療機関の協力を得て、ポスター・リーフレット等を用いた受診勧奨の取り組みを展開しており、取り組みを実施した医療機関において、受診者数が前年度比で5・4%増加したと言明し、6年度事業での引き続きの協力を呼びかけた。